過ぎし日と来たる日

ル・ピュイの道や日々のあれこれ

平凡でも穏やかな生活を

こんなとき、あの人だったら何を語るだろうか。そういう人のいない世界は不幸だと思う。

 

自分の生まれる前には「戦う知識人」という人種はほぼ絶滅危惧種だったので今更どうもこうもないが、例えばサルトルなら、あるいはサイードなら、どのような言葉で現状に抗議しただろうか。

 

ひどく気分が落ち込む。

イスラエルはかつてナチスが自分たちにしたことと同じ過ちを犯し続けていることに、いったいいつになったら気が付くのだろうか。これは日本も同様に。

 

かつて、徐京植先生が言っていた。「人は犠牲者を思い出さない。過去に学ばない。…「平和」が失われようとしているだけではない。その価値のために闘い、自らを犠牲にした人々の記憶も失われ、そのような生き方の前で謙虚であろうとする精神そのものが失われようとしているのである。」

すべてを忘れることができたらどれだけ楽だろう。だが、それはより残酷な道だ。

 

誰かの声がほしい。悲鳴ではなく、理性の声が。