過ぎし日と来たる日

ル・ピュイの道や日々のあれこれ

Day 16

2022/8/26

16日目

Cahors(Gîte de la Casa Del Trel) ~ Lascabanes(Gîte d'etape Le Nid Des Anges) : 23km

[http://]

少し蒸し暑かったけどよく眠れました😊

昨日の時点では今日は午前中雨の予報でしたが、夜中のうちに降ってくれて朝から快晴です☀️

7時に朝食をいただいて、出発の準備をします。

庭のル・ピュイの聖母マリア

とても気持ちよく過ごせたので、気分もスッキリ、清々しいです✨

 

今日の目的地は23km先のラスカバヌ。セルジュとキャロルから注意事項を聞きます。

まずは11km先のラバスティード=マルニャック(Labastide-Marnhac)までは、お店はおろか水の補給もできないので、その辺を自分で調整すること。その後もラスカバヌまで何もないこと。

要は、ラバスティード=マルニャックでしっかり休憩しましょうということですね😉

ちなみに、4人ともラスカバヌの宿は同じ"Le Nid Des Anges"です☺️数日前、ナターシャもそこに泊まると言っていたので会えるかも。

名残惜しくてなかなか出発できませんね😢

みんな同じようで、8時を過ぎてもセルジュとキャロルにあいさつしていました。

楽しかった😄

残念だけど出発です😢

ありがとうございました。また来ます😊

 

まずは橋を渡って市街地を通り、ヴァラントレ橋へ。

向こうに見える鉄道橋

Place François Mitterand

クレールとジョルジュはカフェでお茶していくそうです🤭さすがフランス人。

ポールは近道して先に進んでいます。

ヴァラントレ橋

うーん。やっぱり名所は朝の光により映えますね。

前を行く人

姿は違うけど、昔もこういう風に歩いていたのかなーと想像すると、やっぱり不思議🙄

穏やかな川面

 

川を渡ったところから地獄の登りが始まります。ほとんど登山に近いくらいの登りです。

ひー🥵

初っ端からゼーゼー💦💦

階段っぽくなってるからコンクの後よりはマシだけど、それでもかなりキツい😣

先に行ったポールが登りの途中で休んでいます。そりゃそうだ😂

ひー🥵

橋を見ればかなり登ってきたことがわかると思います😂

さようなら、カオーの町👋

 

ここからしばらく高速道路沿いの小道を通って、その下をくぐってから静かな道へとそれていきます。

ピントの合わないお花

日本の田舎にある、田んぼ沿いの道のような道路を歩いていきます。

1時間ほどで教会が見えてきました。

ここはラ・ロジエール(La Rozière)という集落のようですね。

ちょっと休憩しましょう💨

Église de la Rozière

 

教会横のベンチに座っていると、見たことのないハツラツとした男性がやって来ました。

彼は教会の写真を撮った後、こちらに手を振ってそのまま通り過ぎていきました。私もちょうど休憩が終わるところだったので彼の後をついて行くことに。これが大きな間違いだったのですが。

彼はドイツ人でシュテファンといいます。社会科の教師だそうで、先に会ったパトリック同様休みの度に自宅からちょっとずつ歩いているのだとか。

ちなみに、パトリックはカオーでばったり会って、彼は今年はそこまでだったので帰りの列車を探していたのですが、バカンスシーズンで空席が見つからず、途方に暮れていました😰やっと見つけたのが夜行のパリ行きで、そこからのTGVも空きがなくどうしようかと苦笑していました。

来年(今年)彼はカオーからまた歩き始めるのでしょうが、この道を歩くと実人生をリセットと言っていたのが非常に印象的でした。その時はよくわからなかったのですが、全て終えた今ならよくわかります。

現実はあまりにも複雑で難しい。

一見うまくいっているように見える人生でも、実際どうなのでしょうか。この圧倒的に非効率な旅は、毎日のシンプル且つほどほどに困難な目標と、その達成をリピートすることで、脳内、身体ともに現実の複雑さを解体してくれます。

パトリックの言葉は今後よく思い出されました。おそらくこの道に魅せられる人たちは同じように感じているはずです。自分自身の豊かな感情を思い出し、そのことに対する喜びは「幸せ」という経験につながっているはずなのです😊

シュテファンはよく喋ります😯社会科教師らしく、気候変動や環境の変化などについて自分の考えをはっきり述べます。これはおそらく今年の熱波に思うところがあったからでしょう。

彼も最初に会ったアンディーのように、日本の原発はどうなのかとすごく心配していました。私は例によって、みんな忘れかけているというような説明をします。彼は特に反応したわけではありませんが、私はこんな説明を繰り返している自分が馬鹿に思えました。

 

それはそうと、呑気におしゃべりをしていたせいで見当違いの方向に進んでしまっているのに全く気がつきませんでした。道を間違えていたのです😱正確には、シュテファンと会った時点でもう間違えていて、ラ・ロジエールの教会の手前で左折しなければならなかったのです。

私たちはレ・マテュー(Les Mathieux)という集落の方に進んでしまっていて、かなり引き返さなければなりません😫

Demain Mathieux

シュテファンからはすごく謝られましたが、そもそも私も道を確認しなかったし、GRは教会は通るだろうとたかを括っていたのがいけませんでした。

ラ・ロジエールまで戻るのは気が重いので、途中の脇道からなんとか近づいていくことにしました。が、しかし、そこが雑木のなかの道と言えない道で、急で危険、かなり大変な道でした😨そもそも、そこを通ってちゃんと合流できるかもわからずかなり不安😰

なんとか高速道路まで出たものの、そこを渡るのも大変だし、渡ってからも逐一地図を見て合流できるルートを探すのが大変でした😮‍💨

かなり遠回りをして、ラバスティード=マルニャックの手前でのんびり歩いていたクレールを見つけてホッと安心😮‍💨なんとか合流できました。

他人と一緒にいながら自分の道を進むというのはとても大変なことです😊自分の道を進んでいるようで、かなり流されていたりします。でも、それでその人を責めるわけにはいきません。それに、流されて学べることもあります。

 

Labastide-Marnhac

12時。やっとラバスティード=マルニャックに到着😮‍💨

かなり暑くなってきていたので助かりました。教会の裏手に蛇口があったので水を補給💦

ポールとジョルジュも近くにいたので、少し先のエピスリーでクレールも含め4人で休憩😊サンドウィッチを買って、パラソルの席で食べます⛱️

先に着いていたシュテファンは店内の奥の方でアイスクリームを食べていました😄お店は地元の方?も多く、かなり賑わっていましたよ。

村のおじいさん

 

45分ほど休憩して、また出発🐾

他の人はもう少し休むようで、ひとり先に出ます。

エピスリーのすぐウラに役場があったので、スタンプをもらいに行きます🌀

なんか「自由の女神」っぽいけど、なんなんですかね?

出口にある変な人形

役場はちょうど村の出口付近にありました。

ここからまた横道に逸れていきます。

少し林の中を歩いて🌲

ひ〜🥵口を開けば暑いの繰り返し。

この辺から本当に何もない荒野or畑です。

と、突然キレイな林が。

ここだけ木が生きています😍

スーッ😌生き返るようです。

と思ったら、

げ😭

束の間の安息だったようです😭

途中にポツンとGîteがありました。あとで聞くと、この宿も良かったそうです。

ひたすら何もありません。

先程のGîteの前の道をひたすらまっすぐ進みます。横道に逸れないので、不安になりつつ歩いていきます🫤

暑いし、全然進んでいる気がしないし…。

 

ラバスティードを出てから2時間。ピクニックエリアが見えてきます。

ようやく休憩所らしきところが😮‍💨

水を、水をくれー🥵

汗びしょびしょなのでトイレには行かなくて大丈夫ですが、喉の渇きはそうはいきません。

ヌルくても全然大丈夫🙆‍♀️新しい水を飲めるだけ十分です。

ひー🥵

蛇口をひねって水を何度も補給します。

 

先客もぐったりと休んでいました😇

リヴィニャックの手前で会った老夫婦ジョーとコリーヌです。さすがに疲れていますね。この暑さの中歩いてくるなんて、すごいなー😯

彼らはあと2行程ぐらい先のモワサック(Moissac)までが今回の旅路のようです。彼らの他にもクレールやシュテファンのように、モワサックまでの人はけっこういました。鉄道駅があるからです。フランス人でもなかなか通しで歩く人は少数派なので、どこまで歩くかというのはかなり重要でしょう。

普通、年配の人って話しづらい人が多いけど、ジョーとコリーヌは気さくでしたね😊日本にも来たことがあるそうです。箱根の♨️が良かったとか😊

もう1人、先客でいたのはヴァレリーというトゥールーズから来た女性でした。前のフィジャックで一緒に歩いた肉屋の彼女とは別人です。彼女は歩くスピードがかなりゆったりでしたが、表情豊かで気さくでした。

ジョルジュ、クレール、ヴァレリー

 

汗が止まるまで休んでから出発。

ラスカバヌはもう目と鼻の先のはずです。

前を行くヴァレリー

そういえば、昨夜セルジュが言っていたのですが、毎18時にラスカバヌの教会でミサと足洗いの儀式があるそうです。ぜひ参加してみたいですね☺️

少し坂道を降っていきます。

こわっ💦

ヒマワリに顔が💦💦

上を見ていたらチャーミングなんでしょうが、おいおい、どんよりしていますよ。

Lascabanes

15時半、ラスカバヌ到着です😄お疲れ様でした。

 

村というより集落に近いですかね、かなり小さいです。宿はすぐそこなので、広場のバーでヴァレリーと🍻します😄

うっひゃー😆

天にも登る気持ち👼🙏

横を見るとフワーッと微笑んでいる男性が👀

エステルの家で一緒だった印象的な表情の旦那さんです。ふと思い出しました。パスカルという名前でした。

もう、この表情❗️どういう人生を歩んだらこんな表情になれるのでしょうかというほど穏やかな顔をしているんです。いやー、憧れる🥺

彼らは10km先のモンキュックまで行く予定だったけど、中止してここまでで今回は終わりにするそうです。友人に迎えに来てもらって、モンキュックに数日滞在した後ボルドーの自宅に帰る予定なのだとか。

彼の顔は一生忘れないでしょうね。本当に弥勒菩薩の仏像より穏やかな表情をしているんです😌

 

さて、宿へGO✊

Le Nid Des Anges

管理者のマダム・セシルからメールでホワイトボードに部屋名と名前を書いておくから、ボードに✅を入れて、そこに入っていいよと予め連絡がありました😊

クレールやポールの名前もありますね。お😀ナターシャの名前もある🥰

いつもいるわけではないらしいので、こうした連絡はありがたいですね。

ここはエピスリーも兼ねています。私営みたいですが実は公営で、セシルはあくまで管理者のようです。

冷蔵庫にポットに入ったお茶もあるので、着いてからゆっくりできていいですね☺️

部屋は2階でした。部屋の中にシャワー、トイレも併設されているタイプです。

裏庭

ブランコがありますよ😄

周りの風景を見れば、何もないところというのがよくわかるかと思います。でもこの旅ではそれがいいんですよ😊

例によって、シャワーと洗濯を済ませてからのんびりと寛ぎます。

 

17時頃、エピスリーで座ってお茶を飲んでいると買い物袋を持った女性が😀この方がセシルですね。エステルとは別の感じでめちゃくちゃチャーミングな女性で、ルンルン🎶って雰囲気です🥰

「部屋はわかった?」と聞かれたので、大丈夫🙆と答えました。18時から隣の教会でミサがあるから行っておいでと言われました。もちろんです😊

宿のHPにセシルのあいさつが載っていますが、これがとても印象的な文章です。それは食事の時にも少し話してくれましたが、ここまで歩いてきた人にとっては非常に共感できることだと思います。

 

<以下抜粋>

予想外のことでした。「ホステス・ジャケールという職業は、17 年前に私に降りかかりました。始めたときは本当の天職とは思えなかったとしても、時間が経つにつれて、この仕事は本当に祝福されるものになりました。うんざりしているのとは反対に、今日私はシュマン・ド・サン・ジャックを歩く人々をこれまで以上の幸せ、つまり与えたり受け取ったりする気持ちで歓迎します。笑顔、励まし、お互いの慰めが毎日そこにあります。
旅の証言: 「たった 1週間の旅の思い出がとても強く残っています。 2014年、小さな家族とともにル・ピュイ・アン・ヴレからサン・シェリ・ドーブラックへ出発しました。私はこの「移動する人々」と一体化するのを楽しみました。脚の力で風景を捉え、キットが9kgあることを知り、水滴の間を移動し、水を一口一口数え、出会い、見失い、旅の仲間を見つけます...ステージの終わりで彼らと同じジェスチャーを達成し、同じ快適さを共有し、街で笑顔を知る。

                                                <抜粋終わり>

そう、ここに書いてあることが全てと言えるでしょう。道の歴史的経緯から歩く人が多いゆえにビジネスと捉えられがちなGR65も、実際はこんなシンプルなことなんだなーと改めて実感させられます。

 

さて、ミサに行ってみましょうか🙂

スペインの「フランス人の道」のどこかで足洗いの儀式があるのはパウロ・コエーリョの『星の巡礼』でも書いてあったけど、実際どうなんでしょう。

小さな教会には地元の方も数人来ていて、巡礼者は前から順に座ります。ここの神父さんがちょっと奇妙で、バイトなんじゃないかと思うほど言葉が辿々しい😅ちょっと心配してしまいました。

聖書をいくらか読んだ後、左前方から順に右足を洗ってもらいます。座ったままで桶に入れるんだか、桶の外だったか忘れましたが、ぬるま湯で優しくかけてもらいます。なんか、いいっすね😇この日は20人くらいは巡礼者がいたかな🙄ひとりひとり洗ってから、例のごとく聖体拝領の儀式をします。

あと、前日のミサの出席者の出身も読み上げられます。チェコと読み上げられたので、ハナですね😀やっぱり少し急いで進んでいるっぽいです。

だいたい1時間弱でミサは終わりました。もうこの辺りになってくると、式で何を言っているかわからなくても苦痛ではなくなります。それよりも、参加してくれる地元の方も含め、歓迎してくれることに感謝です🥲

隣の宿に戻りましょう。

 

あれ😳⁉️

セルジュとキャロルがいます❣️

え⁉️どうしたの😆⁉️

クレールとポール、ジョルジュと4人でワーっと盛り上がります😄2人もセシルとは旧知なので、ここで夕食を食べていくそうです🙌

ダイニングの席につきます。

今日こんなに人いたんすね😅初めて会う方が多いです。これくらいいるのも、ほどよくガヤガヤして良いです⭕️

右奥にセルジュとキャロルもいます😊

そうそう、セシルからナターシャは来られなくなりましたとの通達が😢彼女、ゆっくり歩いているから、予約したけどたどり着けそうになかったのでしょう。残念😔

 

スープが注がれます。

まずはガスパチョ。暑かったから嬉しいですね。

次にメインのミートパイが来ました🥧

けっこうボリューミーで、中にタマゴも入っています。セシルの得意料理のようですね。とてもおいしかったですよ♬

私はポールの隣、セルジュ&キャロルの向かいだったので、またいろいろと話しました(内容は忘れてしまいましたが😇)。たしかメセタの風景は素晴らしいよとか教えてくれたと思います。

セシルもルンルンで配膳に勤しんでいます。セシル、声もキレイでかわいいんですよねー🥰

デザートデザート😋

あと、チーズも3種類出されましたが、ここのチーズはとてもおいしかった😋白カビのが赤ワインと一緒だとハチミツみたいな味がするんですよ。

 

ごちそうさまでした😊

片付けを手伝って、支払いとスタンプを押してもらいます。

セシルは、家に帰っちゃうけど朝ごはんは用意しとくから一番早い人がコーヒー入れてねー、とのことでした。誰かに任せましょう🙂

あと、忘れ物ないようにねーとも言われました😙

 

そういえば、セルジュたちはというと、クレールが忘れ物をしたおかげで届けに来てくれたのでした😄クレール、ナイス👍

まさかの再会で感激🥰

1日かけて歩いてきた距離も、車だと30分くらいなんですよね。遠くて近い💦

少し外で喋ってお見送りです😢👋

この2週間で人と会うのが楽しくなりました。もちろん、別れるのは寂しいけど、良い思い出は忘れません。こうやって、明日どんな出会いがあるのか楽しみにしながら一日を終えるのは、いいものですよ😊