過ぎし日と来たる日

ル・ピュイの道や日々のあれこれ

歩き始める前に

●ル・ピュイの道を歩くうえでいくつか注意点があります。

 

①名前のある村でも基本的に店などはあまりありません。

スペインのカミーノのように、村々にバルや食料品店があると思っているとけっこうひどいことになります。季節によりますが、特に初夏から初秋にかけては暑さも厳しく、給水ポイントを見落としてしまうと、次のポイントまで水との戦いが始まってしまいます。

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②ル・ピュイからフィジャックまでは激しいアップダウンが続きます。

初めの10日間ほどはひたすら標高1000m前後の中央高原地帯を歩きます。

悪路も多く、足へのダメージも大きいので、慣れるまでは距離を延ばさない方がいいです。

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③荷物はなるべく軽くしましょう。

これは言わずもがなですが、ガイドブック"Miam Miam Dodo"では、荷物の重さを自分の体重の10%程度に抑えることを推奨しています。実際私が知り合った方々は10kg以下で抑えていた方が多かったです。

私の場合は日本からの長距離旅行と、夏から秋にかけての季節の変わり目を2か月歩き、かつその後1か月旅行を続けるいう事情から、特に衣類がかさんでしまいました。結果、日本を出国する際に計量したら手荷物も含めて17~8kgはあったと思います。私は30代半ばですが、これはかなりキツかったです。

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④GRマークを見落とさないように気をつけましょう。

スペインのカミーノと違い、フランスでは赤白のマークが道標です。アプリもありません。その多くが道中の樹木や交通標識に描かれており、本当に見落とすことが多いです。しばらく真っ直ぐの道ではマークもないので、たとえ脇道がなくても合ってるのか甚だ不安になります。ガイドブックか、Google Map のルート図で現在地を確かめながら歩きましょう。ちなみに、赤白ではなく黄色のマークは関係ないので無視しましょう

 

⑤フランス人と積極的にしゃべり、顔を覚えてもらいましょう。

ここの道を歩く人は信心深さからか、感動するほど親切な方がたくさんいます🥹コロナ禍でフランス人以外のハイカーが減ったという事情もありますが、私の存在は前後を行くフランス人の間で話題になっていたそうで、たくさんの方が声を掛けてきてくれました。本当にどうしようもないときに彼らほど頼りになる人たちはいません。言葉がわからなくても色んな人たちと触れ合い、楽しみましょう😊

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⚫︎スペインのカミーノとの違い

 

①宿(主にGîte)は大きくありません。

小さいところでは4~5人、大きくても20人ほどしか泊まれません。また、朝夕2食付き(Demi Pension)のところが多いので、予約は必須です。TELかWhats Appを使うのがベストでしょう。メールはなかなか返信が来ないので、オススメしません。

この予約作業は必然的に1日の行程を決める作業になります。目安として、2〜3日後の宿まで予約しておきましょう。少々面倒な作業ですが、予約さえすれば急ぐ必要もありませんし、なにしろどこの宿でもおいしい手料理が振る舞われ、皆でいただきます。私は慣れてからその日の宿に着くのが楽しみでした😁朝食はバゲットを適当に切ってバターとジャムで食べるのがほとんどです。農家の宿では自家製のジャムにありつけたりします。

どの宿もオープンがだいたい14~15時です。中には早めに入れてくれるところもありますが、あまり早く行っても待ちぼうけをくらうので、適度に時間を調整しましょう。ちなみに、年中営業しているGîteは多くありません。たいてい4、5月〜10月までしかやっていないので、この期間外を歩く方は、希望の宿の情報を必ず確かめてください。

また、国境のサン・ジャン・ピエ・ド・ポーからは巡礼者がケタ違いに増えるので、宿も多いとはいえそれまでの感覚で予約しようとすると空きがない場合があります。一週間前くらいからは泊まりたい宿に目星をつけ、できれば予約しておいた方がいいです。

 

バックパックを部屋やベッドまで持ち込めません。

これはベッドバグ対策です。フランスの宿ではこれが割と徹底しています。玄関でまず靴を脱いで、その場に置きます。そこでだいたい自分用のカゴを用意してくれるので、必要なものだけをピックしてベッドに持って行きます。少し面倒に思われるかもしれませんが、よくよく考えてみると手荷物はそれほど必要ないとわかるので、問題なくなります。

スペインではベッドにリュックを置く人をチラホラ見ました。中にはオスピタレロにガッツリ怒られている人も😅

 

③支払いは夕食後にスタンプの押印とともに。

スペインではチェックイン時に支払いも済ませますが、フランスではだいたい着いたら飲み物を貰って少し休ませてもらってからベッドを使わせてもらえます。そして、夕食後に支払いとクレデンシャルへの押印があります。

 

④クレジットカードはほとんど使えません。

たまたまかもしれませんが、私の泊まったGîteは現金オンリーのところばかりでした。そのためやたらとATMから現金を引き出すはめになり、スペインに入ってからカードに制限がかかり、金欠になりかけました。少々危険ではありますが、フランスではそれなりの現金を用意しておきましょう。ちなみに、2食付きのGîteはおおよそ40€前後です。

 

〜まとめ〜

こうして挙げてみると宿関係のことばかりですが、フランスを快適に過ごせるかはGîteを楽しむことにあると思います。スペインに入ればいかにフランスの宿が素晴らしいところだったか身に染みてわかるはずです。少々の作業も面倒くさがらずに楽しみましょう。あるいは、気の知れたフランス人のハイカーに自分の分の作業も任せれば、非常に快適に旅することができます😊