過ぎし日と来たる日

ル・ピュイの道や日々のあれこれ

Day 21

2022/8/31

21日目

Castet-Arrouy(Gîte communal) ~ La Romieu(La Refuge du Pelerin) : 30km

[http://]

一昨日眠れなかったからよく眠れましたね。

同室のおじさんがイビキをかいていたようですが、耳栓が優秀で全く気にならず👍

今日はラ・ロミュー(La Romieu)まで30kmほどです。

やっぱりフリアンが最初に起き、さっと準備してダイニングに向かいました。私も同じ時間に起きましたが、いつも準備に時間がかかるため、フリアンより10分ほど遅れてダイニングへ。そこにはジョルジュもいてカフェを入れてくれていました😊

パンは山ほど用意してくれていて、適当に切っていただきます。

 

ちょっと距離があるので早めに出発👣

7時ちょい前だとまだ暗いです。

とりあえず、10kmほど先のレクトゥール(Lectour)まで進みます。

朝焼けが美しい😍

30分ほどD23道路沿いを歩いていきます。

そこから右に外れ林の中へ🌲🌲

薄暗い林の道は少し不気味です😨

と、前方にワンコが数匹🫡🐕

ヤバイ…😨

案の定吠えられました。

うちこげ茶色の1匹が付いてきます。付いて来るというか、ひたすら前を先導している感じですね😅

最初は木の棒を咥えてスタスタと前方を歩いていましたが、途中で走ってどこかへ行ってしまいました。

ホッとしたのも束の間、また戻ってきてました😰

その後は走り去って、戻って来ての繰り返しでずーっと付きまとわられることに。

特に害があるわけではないのですが、こうも付きまとわられるのは嫌ですねー。

途中で昨日も会った4人のハイカーと合流したので、これで注意を外らせると思ったのですが、なぜか私にだけ付きまとってきました。

彼らも「あの子友達?(笑」なんて言ってきましたが、(笑)どころではありません😥

 

1時間経ちましたがまだいます。

こちらの集中力は完全に阻害されて、周りをゆっくり見る余裕もありませんでした。

トウモロコシが枯れ切っています。家畜用でしょうか。

幹線道路N21を渡るとレクトゥールの町が遠目に見えてきます。

また丘の上ですね。

ちょっと迂回する道を通って町へ近づいていきます。

まだいる😇

前方から散歩してきたおじさんにも「友達?」と聞かれました。

だからー、友達じゃないんだっつーの😠💢

 

出発から2時間ちょっとでレクトゥールへ入りました。

結局ワンコはまだ先導しています🐶

首輪もしているし飼い犬だとは思うのですが、もともとこの町にいたんでしょうか?

襲ってきたりしないのは良かったです。

町の入口の墓地になぜか勇んで入って行ったので、登り坂でしたがトンズラすることに🌀

と思ったら、墓地の出口でしっかり先回りされていました😇

どうすりゃいいのよ😂

 

気持ちがしょげていたのも束の間、ワンコはどこかに見えなくなりました。

💡❗️

今度こそ…。

見つからないように物陰に隠れながら中心部へ進みます。とりあえず建物に入れれば追って来られないはず…。って、こんなところまで来ていったい何をやっているのやら😐

😀

よし、カテドラルへ逃げこもう。

😮‍💨

よかった💨やっと振り切りました💨

結局1時間半も付きまとわられてしたいましたよ。まだ10kmちょっとだけもうかなり疲れた😓

Cathédrale Saint-Gervais Saint-Protais

大聖堂というだけあってかなり大きな教会です。典型的なゴシック建築ですね。

白壁が美しい、静謐な教会内です。気持ちも落ち着きます😌

 

しばらく休んだ後、あのワンコがいないか外を確かめてから出ましょう。

げ😬

道路の向こうにいらっしゃいます👉🐕

おいおい…。

目の前に観光案内所があるのでまた避難して様子見ですね。

ゲット😄

たとえ通過する町でも貰っておくと記念になります。

外に出たらワンコに見つかりましたが、もう追っては来ませんでした💨しかし、ワンコが寂しそうにこちらを見ているのでちょっと罪悪感が…。

ごめんよー😔

 

少し町中をぶらぶら🐾

Rue Fontelie

町はRue Nationaleを中心に並行して小さな通りが何本かあり、その隙間に家々が並んでいます。全体的に白い塀や壁の建物が多い印象ですね。ここは本当に「町」という感じです。

B. Jean Jaurésから南の方角

その辺のブーランジュリーでクロワッサン・オー・フロマージュを購入😉

町中でポールやフリアンを見かけました。ポールは同じ宿なのでどのみち後で会います。フリアンも今日はラ・ロミューと言っていたので、同じところかもしれませんね。

GRはRue Nationaleの突き当たり、古いシャトーのバスティオン(要塞)の中を通り、裏の庭園っぽい所を抜けていきます。

シャトーから西方、次に進む方向

丘を降っていけばレクトゥールの町ともお別れです。

廃線の線路を越えて、Ger川を渡るとシャトーが遠目に見えるようになります。

👋

 

幹線道路D7沿いを少し歩き、右折してD36を5分ほど歩いてからさらに左折して静かな道に入ります。この辺は民家や農場がぽつぽつあるだけで、ほぼ畑の中の道路を進みます。

次に目指すのはマルソラン(Marsolan)という村です。レクトゥールから10km弱ですね。この間、お店等なにもないのでレクトゥールで少し準備しておいた方がいいです。

道なりに進むと左折して林の中を少し歩きます🌲

林を抜けると1車線の道路にぶつかりますが、ここからずーっとこの道を歩いていきます🚶

周りヒマワリ畑です🌻

天気は晴れたり曇ったり🌤️少しじめっとして蒸し暑いです。

一本道をずっと進むと糸杉の下に十字架があります。

ここで道路から外れ、草の道の方に進みます。このまま道路を進んでも村にストレートに着くので、こっちは回り道ですね。車も全然通らないのに、一応安全のためでしょうか😅?

この辺でもう20km近く来ているのでけっこう疲れてきます😓

途中で左折して墓地が見えてきたらマルソランの村に到着です。

 

村は5分で一回りできそうなくらい小さいです。ただ教会と家があるだけですが、雰囲気は良さげですね☺️

ちょうどお昼時なので教会横のカフェでサンドウィッチを作ってもらって休憩です。

相変わらずデカい💦

自転車乗りの方々が先客でいましたが、ちょうど出ていくところでした。

45分ほどいたので誰か通るかなと思ったのですが誰も来ず😶

教会は閉まっていて入れませんでした。ちなみに、蛇口が教会のそばにあるので水を補給。若干じめっとしているので、曇っていても汗をかきます💦

さて、出ましょうか。

残りはあと10kmくらいですかね。このまま行けば14時半には着きそうです😌とりあえず雨が降らないことを祈る。

村の出口が宿場っぽくて良い感じでした⭕️

 

ここからは舗道はあまりなく、少しアップダウンを繰り返す土や草の道が大半です。

ラクターが土ぼこりをあげながら畑を耕しています。

この辺はもう枯れそうですね。

道端にポールがいました😊

相変わらずソシソンを切って食べているようです。

よく思ったのですが、フランス人ってけっこう質素です。よくよく考えてみれば、日本でも昼食おにぎりだけの人とかけっこういるけど、フランスの場合はコンビニもないし、そもそも選択肢が少ない感じがします😐

彼女は2食付き(Demi-Pension)の宿をいつも好んで選んでいたので、昼はこれくらいでいいのかもしれませんね。

 

ここから先、途中で産廃処理場のような所を通ります。一本道なので迷いようがないのですが、場所が場所なので合ってるか不安になってしまいますよ🫤

なんでハイキングコースに産廃処理場があるんですか☹️

そのまままっすぐ進むと、左前方に教会っぽいところがある場所の手前に一本の糸杉があるのでそこを右折します。

曲がらずまっすぐ進むとカステルノー=シュル=ローヴィニョン(Castelnau-sur-l'Auvignon)にショートカット出来るので、ラ・ロミューに行かなくても良ければそのまま進んでいいです。

これから進む道が遠くに見えますね。

ラ・ロミューまでは5kmほど。だいぶ疲れてきているのでここが踏ん張りどころです😠

少しアップダウンもありますが決して急ではありません。

道はずれに農場のGîteがありますが、ここはポールにTELしてもらった時にはすでに満室でした。

ラ・ロミューに近づくにつれ、プルーン農園が増えていきます。道端にもプルーンがゴロゴロ😺

フランスではプルーンといえばアジャン(Agen)が有名です。このラ・ロミューもアジャンから30kmほどなので、栽培が盛んなのでしょう。

植物園の案内があるとラ・ロミューの教会が見えてきます。

ラ・ロミューとプルーンの木

村の入口にある公園を突っ切ってようやく到着です。14時半。長かった💨

 

今しがた到着したこのラ・ロミューも「最も美しい村」のひとつです。

参事会教会を中心に、メインストリートに穏やかな風が吹き抜ける気持ちのいい村です☺️

まずは宿へ。

参事会教会の向かいにある"Refuge du pèlerin"というGîte。

入口がやけに狭いので少し嫌な予感がしたのですが、ここは設備だけで言えばフランスで泊まった中ではワースト3に入ります😨

2段ベッドが3台。洗濯物を干す場所もなく、非常に狭く、暗いです。汚くはないのが唯一の救いかも。

その日はポールが上段で私が下段だったのですが、揺れる揺れる🫨よく眠れるわけありません😂

ひとまずシャワーと洗濯をして村を見て回ります。

 

村は10分ほどで一周できるくらい狭いです。

観光客も少し来ていましたね😊

参事会教会へも入ってみましょう。

Collégiale Saint-Pierre

この教会は普通の「教会」とは異なり、「参事会」が管理する教会なのです。普通はひとつの教区の中心に大聖堂(カテドラル)があり、そこを統括する大司教や司教がいて布教活動を行うものですが、ここは「参事会」という、いわゆる自治体が管理をしているので参事会教会と名前が付けられいるわけです。

教会でもらったパンフレットには、この村出身のローマ・カトリック枢機卿とこの参事会教会の成り立ちが説明されています。

枢機卿は"cardinal"と英訳され、昔の文献にも頻繁に出て来るような権力者で、一番分かりやすいのは、次期ローマ教皇を決める会議「コンクラーヴェ」を開く人たちです。

それだけの人がこの村から出たので、村の規模に不釣り合いなほど巨大な教会が建てられたわけですね。

回廊

かなりボロボロなのがわかるかと思います。

モワサックのものは11世紀でしたが、こちらは14世紀建造です。ユグノー戦争の被害を受けたせいだとか😨

何度も言いますが、よく残っているものだと感心します。

柱には動物の彫像も。

教会見学は回廊から始まり、身廊、八角形の部屋、塔と続きます。

ゴシックです。修復されたのか、壁が明るくきれいですね。

祭壇付近にはかの枢機卿か誰かの墓が左右に2基あったと思います。

前方左手には八角形の聖具室?(sacristieとあるのでおそらく)と塔の入口があります。

写真を撮り忘れたのでお見せできないのですが、八角形の聖具室の天井には8人(たしか)の黒い天使の絵が描かれています。

黒い聖母ならスペインのグアダルーペで見たことがあるのですが、天使は初めて見ました😳

 

塔は螺旋階段を登ります。これが狭いこと狭いこと💦

人1人通れるくらいなので、降りて来る人がいたらかなり身を狭めないといけません。また、途中の階はあるにはあるのですが、てっぺんが意外に高く、果てしなく階段が続きます😫

塔の途中から

ていうか、いつ崩れてもおかしくないのでは😇

教会の屋根裏の構造など珍しいものも見られるのですが、今日イチのキツさにそれどころではありません。

下りも急でヒザやモモへの負担が尋常ではない💦古いから石段が削れてナナメってるんですよね。なんてこったい😂

 

地上へ帰還🚀

やっぱりタワマンには住みたくありませんね。

塔はもう一つありますが、もう懲り懲りです😰サンダルだし危ないって💦

後は教会の外をぐるっと回って終わりです。

まったく💨

 

村を見てみるとあちこちにネコのオブジェを発見できます。

😺

😸

🐱

これは…本物ですね🐈

このラ・ロミューは猫伝説の残る村で、詳しくは覚えていませんが、たしか、その昔飢饉で食糧危機が起きたとき、とある少女の飼っていた猫が大量発生して畑に害をなしていたネズミを退治したとかそんな話だったと思います。

このラ・ロミューという村名の響きがネコの鳴き声に似ていることもその伝説に寄与していると後でポールが教えてくれました。

まあ守り神みたいな感じですかね🙂

 

いい感じ❤️

本当に穏やか

夕飯はオーナーのローランが自宅で作ってきたものを持ってきてくれました。宿の設備はともかく、彼自身は見た目とは裏腹に意外と話せる人で、不思議と安心感がありました。

料理が出来合いだったのでポールは少しガッカリして、あなたは外で食べてきてもいいよと言ってくれたのですが、せっかく作ってくれたものだし、お金も払っているので狭いダイニングで2人で食べることにしました😊

このときは何も考えずにただ食べられればいいやと思っていただけなのですが、これが良い機会になりました。

クスクス

料理はクスクスとチキンのトマトソース煮込み、パンとデザートでどれもおいしかった🥰

それよりも、ポールと2人きりで食べたということがとても良かったのです。

というのも、ポールはフランス語しか話せないし、自分はフランス語が分からないのでどうしてもコミュニケートしづらかったのですが、試しにGoogleの翻訳機能を使って話したらスムーズに意思疎通できたんです😀

互いの家族のこととか仕事のこととか、そんなことを話すとより親近感が湧くものです😊

私にとっては母親と会話しながら食事をしているような感じで、とても和やかな時間を過ごせました。そのことを率直に伝えるととても喜んでいて、また嬉しくなりました。

 

人生、どんなことがキッカケで物事や価値観が変わるか分からないものです。

この旅にしてもそう。同僚と偶然話していたことに始まり、慣れない環境、非効率的な前進。しかし、日々、自然や他人から学ぶことが新たな自分の発見につながります。

何を隠そう、ポールこそがフランスでの最高の友だちだったのです。これは後々に気が付いたことなのですが、キッカケはこのラ・ロミューの夕食の時間でした。

 

寝る前にまだ明るい外を少し風をあたりに。

どんな選択でも自分自身で進んでいけば案外悪くないものだなーとしみじみ感じるラ・ロミューの風でした😉